産業カウンセラー

産業カウンセリングは、仕事や職場の人間関係などから生じるストレスや心の問題に対するカウンセリング(メンタルヘルスカウンセリング)のみならず、産業社会における生き方の設計や近年の人事制度や組織の変更に伴う職業生涯における生き方の再設計とそれに対応する能力開発を支援するためのキャリアコンサルティング、また産業場面におけるカウンセリング・マインドの普及・啓蒙な ど、大きく3つの領域・機能に分けられます。

産業カウンセラーはこれらの場面で、「人は誰でも自らを維持し、強化する方向に自分自身を発展させようとする自己成長力が備わっていて、自己を実現しようとする力を持っている」という人間観に立ち、働く人々が自らの力で問題を解決できるように援助する役割を担っています。

産業カウンセラーの3つの活動領域

メンタルヘルス対策への支援
いま、雇用状況は相変わらず厳しく、多くの人の心の健康が脅かされています。
個人および組織を対象としたメンタルヘルス対策への支援は緊急課題です。
メンタル不調の予防から危機介入、職場復帰への支援、ストレスチェック後のフォローなど産業カウンセラーの受け持つ領域は幅広くなり、産業カウンセラー協会は、働く人々のために研修やカウンセリング(面談・電話)を行っています。
キャリア形成への支援
社会の大きな変化とともに働く人々の意識や働き方は多様化しています。人生の節目毎の悩み相談をはじめとして、現実に仕事を選択するための相談や研修など個人のキャリア形成への支援の必要性が大きく広がっています。
産業カウンセラー協会は、働く人々のキャリア教育およびキャリア・カウンセリングなどを行うとともに、キャリア形成の支援を担うキャリアコンサルタントの養成にも力を入れています。
職場における人間関係開発・職場環境改善への支援
働きがいのある職場や、働きやすい職場をつくるためには、個人のコミュニケーション力等個の成長の促進だけではなく、職場環境を改善していくことも必須の要素です。
産業カウンセラーは人と組織と協働し、グループファシリテーション能力の開発などの研修に加え、組織診断による職場環境改善の提案などを行っています。

日本産業カウンセラー協会の歩みと新たな使命

1990年代から飛躍的な発展

日本における産業カウンセリングは、1960年代に米国から導入されました。日本の産業カウンセラーは、戦後経済の発展・成長とともに大きく変化した労働者の職場生活と、そこから生じるメンタルヘルス問題を真摯に受けとめ、活躍してきました。初期の段階では技術革新の尖端職場での相談活動が進むなかで、当協会は産業カウンセラーの養成に力を注いできました。

1970年に社団法人として認可され、1991年に産業カウンセラー試験が労働省(当時)の技能審査として認められました。 これを契機にして初・中・上の各級産業カウンセラーの資格制度が発足し、 現在その有資格者は1万人をこえるに至りました。また大学で心理学を専攻しなかった人にもカウンセラー の道が開けるよう、毎年全国32カ所で産業カウンセラー養成講座を開き、3000人近い人が受講しています。

厚生労働省の2つの重要施策の推進に全面協力

職場におけるメンタルヘルス・ケアの推進
厚生労働省は2000年に「職場における労働者の心の健康づくりための指針」を発表し、「快適職場づくり」の推進が本格化しました。 これは、私たちが創立以来40年にわたり手がけてきた課題であり、もっとも得意とする分野です。職場のメンタルヘルス・ケアで最も重要な地位にある管理・ 監督者の研修も数多く実施しています。
国家資格キャリアコンサルタント受検資格取得のための養成講習
大量失業という中でも求人数は確実に増えています。しかし、それが就業人口の拡大にはならないのがいまの状況です。求人側は、若くて情報技術能力を持っている労働者で、できることなら賃金もそこそこに、というのが希望条件です。しかし、ハローワークにあふれている求職者は中高年者であり、まず年齢がクリアできません。中高年者にとってはきわめて厳しいものがあります。 このミスマッチが失業率を改善しない要因の一つになっています。
このミスマッチは、経済の構造改革の下で、今後あらゆる分野に広がっていくでしょう。 そういうなかで、リストラされた人もされていない人も、これからの労働者は自らの意志で職業生活、 生き方を再設計していくことが求められてくるでしょう。その労働者の心の支えとなり、 良き援助者となるスタッフが職場に求められています。厚生労働省もそういう意味からキャリアコンサルタントの 大量育成と配置を決めました。それは、私たちが今まで活躍してきたキャリア・カウンセリングという活動領域と一致します。 新しい時代の要請に合わせて、企業からのキャリアコンサルタント養成の要望に応えていきたいと体制を整えております。

全国研究大会

テーマ
4 昭和49 リーダーシップとカウンセリング(関西)
5 昭和50 激動期に対応するカウンセリング(関西)
6 昭和51 産業カウンセリングの本質(東海)
7 昭和52 日本人とカウンセリング(関西)
8 昭和53 変革の時代とカウンセリング(関東)
9 昭和54 心と体のカウンセリング(中国)
10 昭和55 よりよく生きるために(関東)
11 昭和56 人間にとってカウンセリングとは何か(東海)
12 昭和57 いま生きるとは(関西)
13 昭和58 共に生きるとは(関東)
14 昭和59 現代社会とカウンセリング(東海)
15 昭和60 ふれあいをもとめて(関東)
16 昭和61 よりよいコミュニケーションのために(中国)
17 昭和62 豊かな生をもとめて(関東)
18 昭和63 激動する社会の中の人間を考える(関西)
19 平成1 今日の産業社会をみつめて(関東)
20 平成2 産業カウンセリングの今日的課題(名古屋)
21 平成3 産業カウンセリングの現状と展望(広島)
22 平成4 新しい職場カウンセリング活動の展開をもとめて(仙台)
23 平成5 新しい人事、労務管理の方向と産業カウンセリング(東京)
24 平成6 変革の時代の中でカウンセリングに求められるもの(福岡)
25 平成7 人と企業の明日を考える(東京)
26 平成8 人間が生き生きと生きる、働く(京都)
27 平成9 産業と生活者をつなぐ(愛媛)
28 平成10 21世紀の産業カウンセリングを探求する(名古屋)
29 平成11 いま、人間尊重とは ――― 個の自立と産業カウンセリング(東京)
30 平成12 社会の変化と人のこころ(沖縄)
31 平成13 きり拓こう!新世紀の産業カウンセリング(静岡)
32 平成14 産業カウンセラーってなんやねん(関西)
33 平成15 生きること・働くこと(北海道)
34 平成16 「働くことの人間化」をめざして(東北)
35 平成17 人と組織―たがいを活かしあう社会へ 産業カウンセラーの新たな役割の展開―(関東)
36 平成18 働く喜びを育て活かそう(九州)
37 平成19 日本的な働き方とその未来 ―働く人びとの自律と産業カウンセラーの役割(中部)
38 平成20 産業界との協働で拓く新たな役割 ―産業カウンセリングを広く深く(中国)
39 平成21 産業カウンセリング 原点から未来への創造 ―個人を尊重し、活かしあう社会をめざして(関西)
40 平成22 人間を尊重する社会への転換をめざして ―働く場でカウンセリングを活かす(東京)
41 平成23 人と組織、心でつなごう、支えよう ―産業カウンセリング、つぎの半世紀へ―(上信越)
42 平成24 もう一度、この国に働く喜びを~産業カウンセリングで結ぶ、明日への絆(東関東)
43 平成25 産業カウンセリング「いま変革のとき 役割の深化と創造をめざして(四国)
~時代に応える新たな協働への遍路~
44 平成27 感動体験で拓く産業カウンセリングの未来(沖縄)
45 平成28 働く人と組織を支えるために
~今一度、産業カウンセリングの存在意義を考える~(北関東)
46 平成29 多様な生き方へ働く人と組織を支える(中部)
47 平成30 北の大地で考えよう~心豊かに働ける職場づくり~(北海道)